放射線を発生する装置の使用及び管理に関する細則

放射線障害予防小委員会
(目的)
第1条 この細則は、放射線管理要領(以下「要領」という。)に基づき、放射線を発生する装置の使用及び管理に関する事項を定め、放射線に関する安全を確保することを目的とする。
前項における放射線を発生する装置の分類及び定義は表1に掲げる通りとする。
(エックス線作業主任者)
第2条 部局の長は、エックス線装置ごとにエックス線作業主任者(以下「作業主任者」という。)を置かなければならない。
前項の作業主任者は電離放射線障害防止規則(以下「電離則」という。)で定めるエックス線作業主任者免許を受けたもののうちから、使用責任者が選任する。
第1項の規定にかかわらず、以下の各号を全て満たすエックス線装置には作業主任者を置かなくてもよい。

(1) 外部に管理区域を有しない装置
(2) エックス線を発生したまま装置内部に入ることができないよう、インターロック等の安全機能が備えられている装置
(3) 前号の安全機能が容易に解除できない装置
(装置等の届出)
第3条 部局の長は、エックス線等装置を設置、変更又は廃止する場合は、設置、変更又は廃止する日の45日前までに別に定める様式により環境安全保健機構(以下「機構」という。)にその旨を届出なければならない。
部局の長は、放射線発生装置又は放射性物質を装備している機器を設置、変更又は廃止する場合 は、設置、変更又は廃止する日の45日前までに別に定める様式により機構にその旨を届出なければ ならない。
機構は、前2項の装置のうち放射線装置について、設置、変更又は廃止する日の30日前までに労働基準監督署に届け出るものとする。
(管理区域)
第4条 使用責任者は、外部放射線による実効線量が3月間につき 1.3 mSv を超えるおそれのある区域を管理区域としなければならない。
使用責任者は、管理区域境界を標識1によって明示し、当該エックス線等装置の従事者以外の者がみだりに立ち入らないように柵その他の障壁を設置しなければならない。ただし、当該管理区域が放射性同位元素等の規制に関する法律(以下「RI 規制法」という。)の管理区域と一致する場合はこの限りでない。
(注意事項の掲示)
第5条 使用責任者は、前条第1項の管理区域の入口付近又は外部に管理区域を有しないエックス線等装置にあっては装置付近の見やすい場所に、次の各号に掲げる事項を記載した注意事項を掲示しなければならない。

(1) 当該装置を利用する者の条件
(2) 当該装置の使用条件
(3) 当該装置の安全機能及び取扱上の遵守事項
(4) 外部被ばく線量の測定方法及び測定のための遵守事項
(5) 放射線の量を測定する際の当該装置の使用条件
(6) 前号における放射線の量が異常であると判断する基準
(7) 事故が発生した場合の応急の措置の方法
(8) 緊急時の連絡先
(9) その他使用責任者が必要と認める事項
(標識の掲示)
第6条 使用責任者は、エックス線等装置の名称、使用責任者氏名及び作業主任者を置いているエックス線装置にあってはその者の氏名を当該装置付近に掲示しなければならない。
使用責任者は、エックス線装置及びエックス線装置以外のエックス線等装置の本体あるいは本体付近に、それぞれ標識2及び標識3を掲示しなければならない。
(放射線装置室及びエックス線装置使用室)
第7条 エックス線等装置は、専用の室(以下「放射線装置室」という。)に設置しなければならない。
前項の規定にかかわらず、以下の各号のいずれかに該当するエックス線等装置はエックス線装置使用室に設置してもよい。

(1) 随時移動させて使用しなければならない装置
(2) 放射線装置室内に設置することが著しく困難な装置(使用目的が著しく妨げられるもの)
(3) 装置表面から 10 cm における外部放射線による実効線量率が 20 μSv/h を超えない装置
使用責任者は、放射線装置室及びエックス線装置使用室の出入口に、それぞれ標識4及び標識5を掲げなければならない。
使用責任者は、必要のある者以外の者を放射線装置室に立ち入らせてはならない。
エックス線装置使用室は、居室と兼用してはならない。
(警報装置等)
第8条 使用責任者は、エックス線等装置に電力が供給されている場合にその旨を関係者に周知させる措置を講じなければならない。
次の各号に該当する場合、前項の周知の方法は自動警報装置によるものとする。

(1) 放射線装置室で使用するとき。
(2) 管電圧が 150 kV を超えるエックス線装置を使用するとき。
(使用記録)
第9条 エックス線等装置の使用責任者は、当該装置においてエックス線業務に従事する者に以下の各号に掲げる項目を記録させなければならない。

(1) エックス線等装置の名称又は型式及び使用の場所
(2) 使用の年月日、時間帯及び使用した者の氏名
(3) 加速電圧、電流などの使用の状況
エックス線等装置の使用責任者は、当該装置においてエックス線等業務に従事する者以外の者であって、当該装置の管理区域に立ち入る者に、以下の各号に掲げる項目を記録させなければならない。

(1) エックス線等装置の名称又は型式及び設置の場所
(2) 立ち入り年月日、時間帯、立ち入った者の氏名及び立ち入りの目的
(3) 立ち会った者の氏名
前項において立ち会った者は立ち入った者の外部被ばく線量を測定し、その値を記録しなければならない。
(立入記録)
第10条 使用責任者は、放射線装置室に立ち入った者に、部屋の名称、立ち入った年月日、時間帯、立ち入った者の氏名並びにエックス線業務以外の目的で立ち入った場合にあっては、立ち入りの目的及び立ち会った者の氏名を記録させなければならない。
前項において立ち会った者は、立ち入った者の外部被ばく線量を測定し、その値を記録しなければならない。
前2項の規定にかかわらず、前条の記録に前2項の内容を記載した者には本条は適用しない。
(記録の保管)
第11条 使用責任者は、前2条の記録は年度ごとに閉鎖し、閉鎖した年度の翌年度の4月1日から10年間保存しなければならない。
使用責任者は、異動その他の理由により前項の期間、当該記録を保存できないときは、使用責任者の所属する部局の事務部が保存するものとする。
(測定と掲示)
第12条 使用責任者は、測定を行う者(以下「測定者」という。)を指名し、その者に、エックス線等装置の管理区域境界又は外部に管理区域を有しない装置にあっては装置表面から 10 cm の位置について、1月以内ごとに1回、外部放射線による量を放射線測定器を用いて測定させ、次の各号に掲げる事項を記録させなければならない。

(1) 測定日時、測定者の氏名
(2) 放射線測定器の種類、形式、測定器の校正日
(3) 当該装置の使用状況
(4) 放射線測定器の設定値、測定方法
(5) 自然放射線による放射線の量
(6) 測定個所、測定した放射線の量
(7) 測定値に対する判定
測定者は、測定のつど、前項の内容を装置付近又は管理区域境界付近に掲示しなければならない。
測定者は、作業主任者を置いているエックス線装置にあっては、電離則で定めるエックス線作業主任者免許を受けたものでなければならない。
第1項第 7 号における判定の基準は、使用責任者が定めるものとする。
第1項の規定にかかわらず、エックス線等装置を固定して使用する場合において使用の方法及び遮へい物の位置が一定しているときは、測定及び記録の期間を6月以内ごとに1回とする。
(粒子加速装置)
第13条 部局の長は、以下の各号に掲げる装置(以下「粒子加速装置」という。)を新設した場合は、小委員会が定める様式によりその旨を機構に届け出なければならない。

(1) 定格電圧が 100 kV 以上 300 kV 以下であって特定電子顕微鏡でない電子顕微鏡(以下「低圧電子顕微鏡」という。)
(2) イオンを 30 kV を超えて加速する装置のうち放射線発生装置又はイオン加速装置でない装置
前項の届出があった場合、小委員会は粒子加速装置の定格運転時に当該装置表面から 10 cm における実効線量率をシンチレーションサーベイメータで実測し、600 nSv/h 以下であることを確認し、その旨を記録するものとする。
部局の長は、粒子加速装置ごとに使用責任者を置く。
使用責任者は、粒子加速装置の名称、使用責任者の氏名及び第2項において小委員会が確認した年月日を、当該装置の近傍に掲示しなければならない。
小委員会は、部局の長に、粒子加速装置を安全に使用するために必要な事項を指示することができる。
(立入禁止)
第14条 使用責任者は、第7条第2項第1号の装置を放射線装置室又はエックス線装置使用室以外の場所で使用するときは、そのエックス線管の焦点又は放射線源及び被照射体から 5 m 以内の場所(外部放射線による実効線量が 1 mSv/週以下の場所を除く。)に、人を立ち入らせてはならない。
使用責任者は、前項の規定により立ち入ることを禁止した場所を標識により明示しなければならない。
(故障・停止中の措置)
第15条 エックス線等装置が故障のために運転することができず、かつ、運転を再開する予定もない場合は、第10条に定める立入記録と第12条に定める測定は行わなくてよい。
使用責任者は、前項に該当する装置の付近に、故障中である旨を掲示しなければならない。
エックス線等装置が点検などの理由により、一定期間運転しないことが明らかな場合には、その期間中、第9条第2項の記録、同第3項の測定及び第10条の記録は行わなくてよい。
前号における期間中、使用責任者は起動のための鍵を抜いて保管するなどの措置を講じることにより、当該装置の運転ができないことを担保するものとする。
表1 放射線を発生する装置の分類と定義
分類 小分類 放射線装置(1) エックス線等装置(2) 機構への届出(3)
エックス線装置(4)
荷電粒子を加速する装置(5) 放射線発生装置(6)
特定電子顕微鏡(7)
イオン加速装置(8)
付随的に発生する装置(9)
粒子加速装置(10) 低圧電子顕微鏡
それ以外の装置
放射性物質を装備している機器(11)
エックス線管などの検査を行う装置(12)
(1) 電離則第15条第1項に規定され、労働安全衛生規則第85条・第86条別表7の21号により「放射線装置摘要書」の労働基準監督署への提出が義務付けされている装置。
(2) 要領で定義された装置
(3) 第3条及び第13条により別に定める様式により機構に届け出なければならない装置。
(4) 中央労働災害防止協会編「電離放射線障害防止規則の解説」によると「高電圧により電子を加速しこれをタングステンなどのターゲットにあててエックス線を発生させる装置」をいう。要領では定格電圧10 kV 以上1 MV 未満のエックス線装置(電離則でいう特定エックス線装置)と定義されている。
(5) 電離則に定義はなくこの細則で定義されている。
(6) RI規制法で規定されている放射線発生装置。
(7) 100 kV 以上 300 kV 以下の電子顕微鏡のうち、装置表面から 10 cm における実効線量率の実測値の最大が 600 nSv/h を超える装置及び 300kV を超え 1 MV 未満の電子顕微鏡。
(8) イオンを 30 kV 以上で加速する装置であって、定格運転時に装置表面から 10 cm における実効線量率の実測値の最大が 600 nSv/h を超える装置のうち放射線発生装置でない装置。
(9) 付随的にエックス線その他の放射線を発生し、定格運転時に装置表面から 10 cm における実効線量率の実測値の最大が 600 nSv/h を超える装置のうち、荷電粒子を加速する装置でない装置。
(10) 100 kV 以上 300 kV 以下の電子顕微鏡のうち特定電子顕微鏡でない装置(低圧電子顕微鏡)及びイオンを 30 kV を超えて加速する装置のうち放射線発生装置又はイオン加速装置でない装置。
(11) 表示付認証機器と表示付特定認証機器は除く。この細則では放射線障害防止法様式第一中別紙様式ロで「機器に装備されている放射性同位元素」をいう。
(12) 正確には「エックス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエックス線の発生を伴うこれらの検査 を行う装置」。
附則
1. この細則は、令和元年8月1日から施行する。
附則
1. この細則は、令和元年11月28日から施行し、令和元年8月1日から適用する。

標識 説明
fig1 標識1 管理区域
装置室あるいは装置の周辺を管理区域に定めた場合に、それを明示するためにこの標識を掲示する。装置室の場合は、すべての入口に掲示する。装置周辺の管理区域の場合には、その付近の目につく場所に掲示する。
管理区域が装置内に限られる場合には強いて掲示する必要は無い。
fig2 標識2 エックス線装置
エックス線装置の本体(あるいは装置付近の目につく場所)に掲示する。装置の定格出力を書き込んで掲示する。
fig3 標識3 エックス線等装置
エックス線等装置の本体(あるいは装置付近の目につく場所)に掲示する。装置の名称(『電子顕微鏡』など)を書き込んで掲示する。
fig4 標識4 放射線装置室
装置を設置した部屋を「放射線装置室」と定めた場合に、部屋の入口に掲示する。
fig5 標識5 エックス線装置使用室
装置を設置した部屋(放射線装置室と定めた場合を除く)の入口に掲示する。
表示の例 説明
sample01 例1 装置名称・使用責任者掲示例
装置本体あるいは付近の目につく場所に掲示する。
sample02 例2 装置名称・使用責任者・主任者掲示例
エックス線作業主任者をおいている装置は、主任者名も併せて掲示する。

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